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艸句会報:船橋(令和5年2月4日)

船橋句会(ギャラリー バルコ
ミニ吟行:柴又帝釈天、山本亭(近代和風建築の家と庭園)
兼題 折句こせま 例句/恋猫の世界を敵に回しても 大木あまり

印象句
冴返る玄関の間の薄明かり      沢渡  梢
【一口鑑賞】立春のこの日、船橋市のいつもの会場が使えないことから、東京・葛飾区の柴又帝釈天や山本亭へミニ吟行に出かけた。まだ寒さは厳しいものの、空の色や日の光、池の水などに春の気配を感じながら句作に取り組んだ。この句の「冴返る」は立春すぎの寒の戻り。季感をやや先取りしながら、玄関の間の寒気を感覚的にうまく捉えている。吟行大好きの作者によれば、薄明かりの下でじっと動かずにいて賜った一句。(潔)

黒鳥の背中の雛のまだ白く      並木 幸子
立春の光あつめてご神水       岡崎由美子
飴切りの音軽やかに春立ちぬ     新井 紀夫

 針谷栄子さんを悼み
侘助や名前をさがす投句欄      川原 美春
彫深き像や余寒の渡り廊       岡戸 林風
寅さんの笑顔の先は春うらら     小杉 邦男
此の世界詮無し戦松の芯       飯塚 とよ
春水の魚に遅れて動きけり      隣   安
光るもの皆光りたる春立つ日     新井 洋子
廻廊の水かげろふを抜けて春     山本  潔

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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