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艸句会報:東陽(令和5年2月25日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題 折句ろくふ 例句/老梅のくれなゐの艶風生忌 鈴木貞雄

印象句
寄せ書きは曲りやすくて卒業子    飯田 誠子
【一口鑑賞】この日、私は急用ができて句会へ行けず、欠席投句で済ませた。その日のうちにメールで句会報告が届き、この句は一読して色紙の寄せ書きが目に浮かんできた。間もなく卒業シーズン。先生への寄せ書きや、友達同士で書き合ったりする寄せ書きは学生時代のいい思い出になる。各自、好みの筆記具で好き勝手に言葉を連ねていくが、たいていは曲がってしまう。カラフルで文字も大小さまざま。そんな寄せ書きを的確に把握した一句。(潔)

独り身に神と仏と立雛        向田 紀子
老人と暮らす少年筆の花       山本  潔
春寒や古き秤の針揺るぐ       岡崎由美子
亀鳴くを待ちて米寿となりにけり   安住 正子
恋猫の恋に理屈はなかりけり     松本ゆうき
辻褄の合はぬ話やひなたぼこ     斎田 文子
棚雲や海苔粗朶うねり波うねり    中島 節子
祝ぎくれし甥も老いたり告天子    中川 照子
冴返る戦車の走る国遠く       堤 やすこ
労働に苦あり楽あり蕗の薹      新井 洋子
水温むエイト水切る隅田川      新井 紀夫
路地奥に来る春場所の触れ太鼓    岡戸 林風

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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