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艸句会報:かつしか(令和5年2月26日)

かつしか句会(亀有学び交流館)
兼題「喜」

印象句
夫の忌に欠かさぬ草の餅二つ      伊藤 けい
【一口鑑賞】若く柔らかい蓬の葉をゆでて灰汁を抜き、細かく刻んで餅に撞きこんだのが草餅。餡を入れたり、きな粉をまぶしたりして食べる。平安時代の頃から作られていたようだ。深緑で清々しい香味があり、いかにも春らしい。毎年3月10日にご主人の忌日が巡ってくる作者。馴染みの店の草餅を買ってきて仏壇に供えることを忘れない。大好物だったのだろう。あえて「二つ」と言うことで「一緒に食べましょうね」という思いが込められている。(潔)

老いてなほ心は自由凧         髙橋美智子
ほほばりて尚ほほばりて苺狩      五十嵐愛子
枝先に膨らみはじむ桜の芽       三尾 宣子
喜多方の朝のラーメン百千鳥      山本  潔
春ショール巻けば喜ぶイヤリング    笛木千恵子
まんさくの匂へる小江戸佐原かな    小野寺 翠
涅槃西風我家の前に仏具店       新井 洋子
うららかや歓喜地蔵の美男ぶり     佐治 彰子
春耕の土黒々と息を吐く        片岡このみ
雛箱を開けて安堵の顔や顔       近藤 文子
春一番きりんぐらりとゆれにけり    霜田美智子
春寒し坐禅の寺へ喜捨少し       新井 紀夫
料峭や工場跡の広きこと        西村 文華
病床の夫と眺むる春の雪        西川 芳子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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