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艸句会報:連雀(令和5年3月1日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「色」

印象句
健やかに老いてホームの雛祭      坪井 信子
【一口鑑賞】「雛祭」は子ども、とりわけ女の子の成長を願う行事だが、幾つになっても雛人形を大切にしている人は多いだろう。雛祭の記憶は懐かしく、忘れがたいものに違いない。雛人形を捨てるのは忍びなく、公共施設などに寄贈する人もいる。この日の句会場でもロビーに立派な雛人形が飾られていた。数年前からケアホームで暮らす作者。掲句は「ホームの雛祭」にやや違和感を覚えながらも、健やかでいることを良しとする気分が伝わってくる。(潔)

知床に命の重み落し角         横山 靖子
残雪や嶺を透かして杉木立       松成 英子
洗濯物干すにも流儀鳥雲に       向田 紀子
色々な吾が出てくる春の夢       松本ゆうき
春寒や電車はビルの灯を縫うて     中島 節子
飴玉を飲みこむやうに二月果つ     山本  潔
白梅やどの道もみな坂がかり      春川 園子
卒寿まで生きて達者よ雑木の芽     坪井 信子
濡れ色の空のかなたに帰る雁      束田 央枝
浅葱色の母の遺愛の春コート      飯田 誠子
薔薇の芽を愛でる歩みとなりにけり   矢野くにこ

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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