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艸句会報:船橋(令和5年3月4日)

船橋句会(ギャラリー バルコ)
ミニ吟行:水元公園、しばられ地蔵尊
兼題「軽」

印象句
漕艇の沼にこぎ出す弥生かな      小杉 邦男
【一口鑑賞】今月も船橋句会は東京都葛飾区でミニ吟行を楽しんだ。水元公園は水郷の景観を中心に都内でも最大規模の広さを誇る(一部埼玉県三郷市)。早春の風はまだ冷たく「軽装を少し悔やみてクロッカス 隣安」の句も詠まれるなか、春を探して歩いた。今月半ばからボート教室が始まるようで、この日はその事前準備をしている様子が目についた。それをすかさず詠んだのが掲出句。「弥生」は晩春の季語ではあるが、春の行楽シーズンの始まりを「漕艇の沼にこぎ出す」と捉えたところがきらりと光る。(潔)

願ひ縄結びし地蔵緑立つ        並木 幸子
里芋の鋭き芽伸び生命満つ       飯塚 とよ
足取りに軽重あれど青き踏む      山本  潔
啓蟄や鐘の余韻に身をさらし      岡戸 林風
戯れ合ひのいつか喧嘩に苜蓿      岡崎由美子
葛飾の空の青さや松の花        小杉 邦男
解き縄の樽一杯にしだれ梅       新井 紀夫
軽装を少し悔やみてクロカッス     隣   安
世の憂さを軽くいなして春よ春     新井 洋子
軽口をたたき摘み合ふ蕨かな      川原 美春
枯色の地より湧き出づクロッカス    沢渡  梢

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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