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艸句会報:若草(令和5年3月11日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「列」 席題「桜餅、草餅」

印象句
訪問の白衣の羽織る春セーター     市原 久義
【一口鑑賞】交通事故の後遺症により、介護施設での暮らしを余儀なくされている作者。俳句を詠むことも心の支えの一つになっている。この句は、訪問看護師の姿に着目して詠まれた。早春のまだ寒さが残る時期に重宝するのが薄手の「春セーター」。ピンクやイエロー、ブルーなどの透明感のある色彩が連想される。中七〜下五の「白衣の」「羽織る」「春セーター」の「は」音が心地良いリズムを生んでおり、看護師と作者の笑顔が浮かんでくるようだ。(潔)

寅さんになつた気分や春の土手     片岡このみ
桜餅彼我の一句の話など        山本  潔
晩節へ踏み出す一歩草の餅       飯田 誠子
草の餅食うべ心を野に放つ       新井 洋子
一夜にて替はる陳列春一番       新井 紀夫
復旧の一番列車風光る         市原 久義
駒返る草や渡舟の列につき       安住 正子
 岡戸林風『彼我』に
春月を仰ぎ見るごと読みふけり     松本ゆうき
生真面目な俳句の話桜餅        沢渡  梢
春興や水の音きく池ほとり       岡戸 林風
天空に列なす平和鳥帰る        吉﨑 陽子
一坪に収穫の夢耕せり         霜田美智子
三月の光をまとふ梢かな        石田 政江

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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