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艸句会報:すみだ(令和5年3月22日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題:テーマ「菓子」

印象句
春愁や白のみ残る金平糖        岡崎由美子
【一口鑑賞】兼題のテーマ「菓子」で詠まれた一句。桜餅や蕨餅などを詠んだ句が多く投じられるなか、金平糖がまず目を引いた。しかも「白のみ残る」と言われると、なるほどその通りと納得する。俳句では、こうした発見や独自の視点が大事だ。さらにこの句は、春の物憂さを示す「春愁」との取り合わせによって、白い金平糖を眺めている作者の気分が伝わってくる。何でもないことなのに、金平糖を通して読み手もそこはかとない哀しみを覚える一句。(潔)

急く夫と上野浅草初桜         貝塚 光子
古里の山の麓の竹の秋         江澤 晶子
 岡戸林風句集『彼我』上梓を祝して
春風や彼我ともに詩を耕さむ      山本  潔
経木の香移る老舗の蓬餅        長澤 充子
手本なき老の生き方翁草        髙橋 郁子
野遊びの子に携帯のベル鳴りぬ     内藤和香子
畦道に蓬摘む老い活き活きと      大浦 弘子
先生の配るクッキー若草野       岡崎由美子
浅春の淡き彩り加賀干菓子       岡戸 林風
嫌なことすぐに忘れて老の春      福岡 弘子
ひと月も続けば難病春の風邪      松本ゆうき

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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