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艸句会報:連雀(令和5年4月5日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「家」

印象句
リハビリを更に励もう初桜      春川 園子
【一口鑑賞】「初桜」はその年の春に初めて咲いた桜の花。気象庁の開花宣言は目安であって、我々は身の周りで最初に目にとまった桜を「初桜」「初花」として詠めばいい。もちろん品種を染井吉野に限る必要もない。リハビリ生活を送っている作者。花に会えた喜びが力となって湧いてきたのだろう。「更に励もう」の措辞に実感がこもる。この句は、深見けん二の〈人はみななにかにはげみ初桜〉に呼応して詠まれたのではないか。思いを新たにする一句。(潔)

春北風や池の波紋の砕けをり     束田 央枝
ドタキャンの娘もかくや落椿     松本ゆうき
歳ごとに花の命を思ひけり      春川 園子
早世の少なき家系紫木蓮       向田 紀子

 坂本龍一逝く
竜天に登り哀しきピアノかな     山本  潔
走り根を大きく広げ城桜       飯田 誠子
家族みな一重瞼よ春深し       松成 英子
春雷や夫の鼻唄それつきり      中島 節子
春雷や非戦非核の啓示とも      横山 靖子
恐竜の話延々花筵          坪井 信子
白牡丹風の日の無垢保ちをり     矢野くにこ

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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