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艸句会報:船橋(令和5年5月6日)

船橋句会(船橋市中央公民館)
兼題 折句「はいこ」例句 白牡丹といふといへども紅ほのか 高浜虚子
ミニ吟行:亀戸天神、香取神社、普門院

印象句
筆塚やわが字正さむ櫂若葉      岡戸 林風
葉桜や今憲法が声を出す       飯塚 とよ

【一口鑑賞】林風さんの句は亀戸天神での作。書家が筆に感謝するとともに、更なる上達を願って使い終えた筆を納めたのが筆塚。俳句では自分の句はもちろんのこと、人の句を清記用紙に丁寧に書くことが大事だ。櫂の木は楷書の「楷」に通じる。とよさんの句。世論調査でも改憲の賛否が拮抗するなか、平和を願う作者の気持ちが伝わってくる。「今憲法が声を出す」という措辞にハッとさせられる折句。上五の「葉桜」も効いている。(潔)

若葉風大根風や大根碑        新井 紀夫
天神の池の緑や五月晴        小杉 邦男
風そよぐ立夏の天神詣かな      平野 廸彦
廃寺に祈る影あり棕櫚の花      隣   安
灰色のイコンのイエス苔の花     沢渡  梢
亀戸に仰ぐ夏雲師の忌過ぎ      山本  潔
ガチャガチャに夢のころがる子供の日 並木 幸子
晴れ女と云はるゝ君の更衣      岡戸 林風
はればれと生きる力や今年竹     岡崎由美子
コットンのシャツの手触り今朝の夏  三宅のり子
ロボットの運ぶランチや夏に入る   川原 美春

(清記順)
※次回(6月3日)の兼題は「六」の詠み込み(「六月」を除く)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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