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艸句会報:連雀(令和5年5月10日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「壺、坪」

印象句
蛸壺のごとき闇より昼寝覚      松本ゆうき
細々と一級河川蘆茂る        束田 央枝

【一口鑑賞】兼題「壺」を詠み込んだゆうきさんの句は「昼寝覚」が夏の季語。真夜中に熟睡していたつもりが、目覚めたら意外にも昼間だったのだ。「蛸壺のごとき闇」が言い得て妙。〈蛸壺やはかなき夢を夏の月 芭蕉〉の蛸になった気分だったのかもしれない。央枝さんの句。一級河川は重要な水系を、支流も含めて国が指定している。散歩コースの小さな川が「一級」であることに気付いた作者。ちょっとした驚きを巧みに書きとめた。「蘆茂る」の斡旋もお見事。(潔)

莫生さんのまさかの訃報若葉雨    春川 園子
夢はらむ天の深さや鯉のぼり     矢野くにこ
和菓子舗のガラスのケース緑さす   向田 紀子
日の本の壺ぞ憲法記念の日      松本ゆうき
師の忌来て師の誕生日来て卯月    山本  潔
あめんぼう雲から雲へ跳びにけり   飯田 誠子
古代よりの欅の勢ひ風は首夏     束田 央枝
春の香を壺に籠めたること秘密    坪井 信子
大壺の今や傘立夏に入る       中島 節子
小満や壺にさしたる野の草木     松成 英子
げんげ田や牛も寛ぐ富士裾野     横山 靖子

(清記順)
※次回(6月7日)の兼題は「七」の詠み込み
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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