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艸句会報:かつしか(令和5年7月23日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「大」

印象句
縞馬の縞のよろける大南風      新井 洋子
手回しの鉛筆削り蟬の声       近藤 文子

【一口鑑賞】洋子さんの句。縞馬が実際によろけたわけではないのだろうが、そんな錯覚を起こしてもおかしくないと思えてくるから不思議。夏に吹く「大南風(おおみなみ)」との取り合わせで想像の世界が広がった。<しまうまがシャツ着て跳ねて夏来る 富安風生><縞馬の流るる縞に夏兆す 原田青児>に勝るとも劣らない一句。文子さんの句は「手回しの鉛筆削り」が懐かしい。一読して削るときの感触や木の匂いが生々しく蘇ってきた。「蟬の声」とともに子どもの頃の夏休みを思い出す。(潔)

ギヤマンの小皿に旬の香の物     三尾 宣子
読み違ふ君の本心サングラス     山本  潔
七夕や初めて書いた願ひ事      西村 文華
掃き清む尼寺白き夾竹桃       笛木千恵子
古団扇主が一句の墨の跡       近藤 文子
露天湯へ長き廊下や河鹿笛      佐治 彰子
日向へと蔓をのばして糸瓜かな    西川 芳子
大汗をかいて朝練部活の子      平川 武子
水遣りを終へるやいなや大夕立    新井 紀夫
表札に残す夫の名大西日       千葉 静江
滴りは山の涙か泣き止まず      新井 洋子
はからずも形見賜る盂蘭盆会     小野寺 翠
羅の盆僧脱ぎしヘルメット      伊藤 けい
電球の照らす駅名火取虫       霜田美智子
向日葵や撮り鉄並ぶ線路際      五十嵐愛子

(清記順)
※次回(8月27日)の兼題は「朝顔」または折句「あなや」
 例句 あさがほや奈落のふちのやはらかく 正木ゆう子
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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