艸句会報:すみだ(令和5年7月26日)
すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「本」
印象句
渋団扇嫌なニュースにバタバタと 江澤 晶子
容赦なく老いの到来はじき豆 大浦 弘子
【一口鑑賞】晶子さんの句。「嫌なニュース」に実感がある。コロナ禍以降の世相を思い浮かべると、詐欺や強盗、殺人などが次々起きている。しかも耳を疑うような事件ばかりだ。加えてこの夏の猛暑。「渋団扇」は柿渋を表面に塗った丈夫なうちわ。それを思いきり胸に当てるように「バタバタと」煽いだのだろう。うんざりした気分が伝わってくる。大浦さんの句。老いの到来を感じながらも、そう簡単には受け入れたくない作者。「はじき豆」は蚕豆を炒って弾けさせたもの。老いに抗う気持ちを季語に託して詠み込んだ。(潔)
針穴に糸のむづかる暑さかな 内藤和香子
晩夏光ガラスペンもて旅だより 長澤 充子
盆踊りの手振り足取り本調子 貝塚 光子
夏草や草に本名・異称あり 松本ゆうき
蕎麦焼酎互ひの本音憚らず 岡戸 林風
葉柳や本陣跡の和菓子店 岡崎由美子
三伏の松本楼のカレーかな 山本 潔
夏のれん本場ですする蕎麦の味 髙橋 郁子
池仕舞ひ知るか知らずか蓮開く 福岡 弘子
(清記順)
※次回(8月23日)の兼題は「数」
兼題「本」
印象句
渋団扇嫌なニュースにバタバタと 江澤 晶子
容赦なく老いの到来はじき豆 大浦 弘子
【一口鑑賞】晶子さんの句。「嫌なニュース」に実感がある。コロナ禍以降の世相を思い浮かべると、詐欺や強盗、殺人などが次々起きている。しかも耳を疑うような事件ばかりだ。加えてこの夏の猛暑。「渋団扇」は柿渋を表面に塗った丈夫なうちわ。それを思いきり胸に当てるように「バタバタと」煽いだのだろう。うんざりした気分が伝わってくる。大浦さんの句。老いの到来を感じながらも、そう簡単には受け入れたくない作者。「はじき豆」は蚕豆を炒って弾けさせたもの。老いに抗う気持ちを季語に託して詠み込んだ。(潔)
針穴に糸のむづかる暑さかな 内藤和香子
晩夏光ガラスペンもて旅だより 長澤 充子
盆踊りの手振り足取り本調子 貝塚 光子
夏草や草に本名・異称あり 松本ゆうき
蕎麦焼酎互ひの本音憚らず 岡戸 林風
葉柳や本陣跡の和菓子店 岡崎由美子
三伏の松本楼のカレーかな 山本 潔
夏のれん本場ですする蕎麦の味 髙橋 郁子
池仕舞ひ知るか知らずか蓮開く 福岡 弘子
(清記順)
※次回(8月23日)の兼題は「数」
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