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艸句会報:船橋(令和5年8月5日)

船橋句会(船橋市中央公民館)
兼題「深」

印象句
深海の塩の浴剤夜の秋        沢渡  梢
深海魚見たくはないか夏の空     川原 美春

【一口感想】梢さんの句。「深海の塩」は水深200メートルより深いところにある海洋深層水から採れた塩。ミネラルが豊富で美容や健康にも良いとされ、さまざまな商品が開発されている。入浴剤を使えば、猛暑で疲れた体を休めてくれそうだ。「夜の秋」という晩夏の季語が巧みで、秋を探る気分が伝わってくる。美春さんの句。「深海魚」にとっては余計なお世話かもしれないが、「夏の空」を「見たくはないか」という問い掛けに作者のやさしさが感じられる。ユーモラスな一句。(潔)

夕端居空気の読める猫とゐて     岡戸 林風
赤のまま夕陽の中に病む姉と     並木 幸子
教会の椅子の硬さや秋隣       沢渡  梢
青柿の青い音して落ちにけり     飯塚 とよ
行合の空の深さよ百日紅       新井 洋子
咲ききつて駅北口の百日紅      小杉 邦男
寝不足の目深にかぶる夏帽子     川原 美春
朝顔に夜の名残りの湿りかな     岡崎由美子
万緑や三国峠の闇深く        石田 政江
「キンカン」の残る数滴夏終る    新井 紀夫
秋立つや胃の腑に深く澄まし汁    山本  潔
部活終へ皆で焼きそば大夕焼     三宅のり子

(清記順)
※次回(9月2日)の兼題は「残」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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