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艸句会報:東陽(令和5年8月26日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題 折句「はあし」
   例句 はからずも雨の蘇州の新豆腐 加藤楸邨

印象句
初秋や浅間山の煙白々と       新井 紀夫
不安げに口浸す孫山清水       関山 雄一

【一口鑑賞】紀夫さんの句。浅間山は長野、群馬両県の境にまたがる活火山。標高2568㍍。小諸馬子唄に「小諸出て見りゃ 浅間の山に 今朝も三筋の 煙立つ」とうたわれる通り、噴煙のたなびく美しい姿が人々を魅了してきた。作者にとっては故郷の山。折句ながら、無理なく17音に収まっている。雄一さんの句は、山登りでの一場面。現代においては生水を口にする機会は滅多にないから、お孫さんにとっては貴重な体験だろう。清らかに澄んだ山の水であっても不安そうに口にする様子が目に浮かぶ。作者はこの日が句会初体験。(潔)

葬送の列に一声時鳥         関山 雄一
芝居小屋へそつと抜け出す秋遍路   中川 照子
一雨がほしいと残暑見舞ひかな    飯田 誠子
さざ波の襞きららかに処暑の朝    中島 節子
霊園に空地をちこち飛蝗とぶ     向田 紀子
八月の雨に濡れつゝ思案橋      山本  潔
北岳に厚き雲あり柿の秋       新井 紀夫
はつかなる雨粒宿し秋海棠      岡崎由美子
葉の先へ蟻のぼりゆく静けさよ    堤 やすこ
カステラの底のざらめや秋日濃し   新井 洋子
背徳の愛は甘いか死人花       松本ゆうき
晩学の歩みは遅し新松子       岡戸 林風
敗戦日兄の遺骨てふ白き石      安住 正子
青芝に白きボールや遠榛名山     斎田 文子

(清記順)
※次回(9月23日)の兼題は折句「さけつ」
 例句 秋刀魚焼く煙の中の妻を見に 山口誓子
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Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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