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艸句会報:連雀(令和5年9月6日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「星」

印象句
百年をともかく無事に震災忌     中島 節子
生かされて今を大事に遠花火     春川 園子

【一口鑑賞】節子さんの句。今年の9月1日は関東大震災100年という節目でもあり、メディアの扱いも大きかった。もちろん、ここに至るまでには東日本大震災をはじめ全国各地で災害が多発しており、いつ何が起きても不思議ではない。「ともかく無事に」は今を生きる我々の共通の感慨と言っていいだろう。園子さんの句も同じ思いのなか、怪我や病気でリハビリ生活を余儀なくされている自分自身に引き寄せて切実な気持ちを詠んでいる。「遠花火」は晩夏の季語。来し方を思う作者の心が投影されているのではないか。(潔)

とんぼうの止まりさうなる草の先   春川 園子
御射鹿池万緑ひびき合うてをり    横山 靖子
カタカナの多き小説星月夜      松本ゆうき
虫しぐれ父の遺愛の星眼鏡      山本  潔
秋の夜のジャズフィナーレは行進に  中島 節子
彦星を亡夫と思ひてより眠る     坪井 信子
夏了る小瓶の中の星の砂       向田 紀子
真暗な白馬山小屋星月夜       飯田 誠子
膕の腫れまだ少し旱星        束田 央枝
星今宵路上ライブを遠巻きに     矢野くにこ

(清記順)
※次回(10月4日)の兼題「色」一切
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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