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艸句会報:東陽(令和5年9月23日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題 折句「さけつ」
例句 秋刀魚焼く煙の中の妻を見に 山口誓子

印象句
老斑のしるき手の甲葉鶏頭      堤 やすこ
さらさらと袈裟ふれ合へる蔦の門   中川 照子

【一口鑑賞】やすこさんの句。「葉鶏頭」は古くから葉の美しさが鑑賞されてきた。雁が渡ってくるころに色づくことから「雁来紅(がんらいこう)」とも呼ばれる。卒寿を過ぎてなお若々しい作者。老斑の浮いた白い手の甲をさすりながら、秋の深まりを感じているのだろう。「葉鶏頭」の燃え立つような深紅との対比に味わいがある。照子さんの句。かつて京都の寺で見た景を思い出しながら兼題の折句に仕立てた。目の前を通り過ぎる複数の僧侶の姿に臨場感がある。下五の「蔦の門」で場面が引き締まる。(潔)

喧嘩した遠き日のこと柘榴の実    堤 やすこ
父母の恋芽生えしといふ震災忌    中川 照子
鯖雲のけふの高さや釣日和      安住 正子
団栗の屋根を転がる山の宿      斎田 文子
来し方は迷走多く吾亦紅       飯田 誠子
桐一葉わが晩年の過ぎやすく     岡戸 林風
騒がしく今朝の瓢湖に鶴来る     関山 雄一
鬼やんま釣る少年の眼かな      新井 紀夫
ゑのころや少女ころころ笑ひたる   新井 洋子
あをぞらに黙劇のごと秋の雲     松本ゆうき
苦瓜や母はレシピを追伸に      中島 節子
豇豆引くけさの光を摘むやうに    山本  潔

(清記順)
※次回(10月28日)の兼題は折句「しいか」
 例句 新米といふよろこびのかすかなり 飯田龍太
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Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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