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艸句会報:すみだ(令和5年9月27日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「恵」

印象句
町中の蜻蛉は群れず汀女の忌     岡崎由美子
伐採の庭木に御神酒風は秋      福岡 弘子

【一口鑑賞】中村汀女(明治33年4月11日〜昭和63年9月20日)は昭和を代表する女流俳人。ホトトギスで活躍し、主婦層への俳句の普及に尽力するとともに、俳誌『風花』を主宰した。<とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな>は汀女の句で牧歌的。これに対し由美子さんの句は、現代の町中に現れた蜻蛉の姿を的確にとらえている。福岡さんの句。住み慣れた家を建て替えるため、樹齢60年の桜を伐採したという。感謝の気持ちを込めて御神酒を注いだ作者。「風は秋」に感慨が込められている。(潔)

月並に生きて幸せ花芙蓉       江澤 晶子
知恵の輪を外せば小鳥来るテラス   山本  潔
帯に挿す寿恵広扇子秋佳き日     根本恵美子
小鳥くる主宰の赤き腕時計      岡崎由美子
小鳥来る合唱会の招待券       福岡 弘子
大川へ和船漕ぎ出す水の秋      長澤 充子
知恵熱の子と若きママ花芙蓉     大浦 弘子
天恵のひかり湛へて稲稔る      岡戸 林風
尼寺にとけ込むやうに式部の実    髙橋 郁子
招き猫の大き壁絵や秋日和      貝塚 光子
曼珠沙華どこから見ても正面に    内藤和香子

(清記順)
※次回(10月25日)の兼題は「横」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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