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艸句会報:連雀(令和5年10月4日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「色」

印象句
竜淵に潜むはいづこ五色沼      向田 紀子
台風一過夕日に染まる山の峰     横山 靖子

【一口鑑賞】紀子さんの句。「竜淵に潜む」は中国最古の漢字字典『説文(せつもん)解字』に「竜は春分にして天に昇り、秋分にして淵に潜む」とあるところから生まれた想像上の季語。兼題「色」から裏磐梯の五色沼を思い浮かべた作者。青や緑、赤などの湖沼が点在している神秘的な場所にはいかにも竜が潜んでいそうだ。探しに行きたくなる楽しい一句。靖子さんの句。「台風」が過ぎ去った後の空はからっと晴れた好天が期待できる。そんな一日を堪能したのだろう。真っ赤に染まった山の峰が読み手の目にも浮かんでくる。(潔)

リハビリの力む指先鬼胡桃      飯田 誠子
秋落暉デイサービスの帰り道     春川 園子
歳時記の師の句に出合ふ虫の夜    横山 靖子
絵心のあらば夕べの酔芙蓉      中島 節子
それぞれの秋思抱へて老いるかな   松本ゆうき
歌ふ句座あり緋連雀黄連雀      山本  潔
鵯や塗り替へ終へし大鳥居      向田 紀子
身に馴染む母の木綿や小鳥来る    矢野くにこ
トキ色の空を飛ぶ朱鷺トキの色    束田 央枝

(清記順)
※次回(11月1日)の兼題は「寒桜」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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