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艸句会報:船橋(令和5年10月7日)

船橋句会(船橋市中央公民館)
兼題「有」

印象句
石仏の眠り深きや初紅葉       小杉 邦男
野仏や秋風抜ける暗き径       有賀 昭子

【一口鑑賞】記録的な猛暑、残暑で休んでいたミニ吟行が復活!この日は船橋市内の御瀧不動尊へ。JR船橋駅北口からバスで約30分。参道がいきなり森を抜ける小道になっており、吟行気分が盛り上がる。そこに点在する石仏たちの「眠り」にスポットを当てたのが邦男さんの句。「初紅葉」との取り合わせが人気を集め、最高点を獲得した。昭子さんの句も同じ場所で詠まれた。上五に「野仏や」と置いて、その存在を浮き立たせた上で、秋風の吹き抜ける参道の様子を描写した。(潔)

嫁ぎゆく次女のアルバム稲の秋    三宅のり子
露草や渡るすべなき弁天堂      岡崎由美子
秋風とくぐる寺院の仁王門      沢渡  梢
秋天や野点の席の有平糖       川原 美春
滝不動バス待つ空に赤とんぼ     平野 廸彦
有り無しの風に寄り添ふ秋の蝶    並木 幸子
文化祭に記す一句や有馬筆      岡戸 林風
有りの実の畑の中のケアハウス    新井 紀夫
稲穂風入れてホームの発車ベル    新井 洋子
赤とんぼこれからどちら交差点    飯塚 とよ
仰ぎ見る三重の塔昼の月       有賀 昭子
散髪の半分眠く秋の暮        小杉 邦男
有耶無耶なバスの時刻や鰯雲     山本  潔

(清記順)
※次回(12月2日)の兼題「歌(唄、詩、詠…)」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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