fc2ブログ

艸句会報:すみだ(令和5年10月25日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「横」

印象句
寺町の長屋横丁菊日和        長澤 充子
柿・林檎初物をまづ仏前に      根本恵美子

【一口鑑賞】充子さんの句。兼題「横」で即座に浮かんでくるのが「横丁」。表通りから横に入った路地に、ところ狭しと赤提灯の店や雑貨屋などが並んでいるのを見つけると、何だか嬉しくなる。この句の「寺町の長屋横丁」は昭和の匂いがする。「菊日和」には横丁巡りをしてみたい。恵美子さんの句。日頃からご先祖様を大事にしているのだろう。「柿」も「林檎」も秋の果物として食卓に欠かせない。俳句を始めたばかりの作者。秋果の「初物をまづ仏前に」供えた心持ちを素直に詠んだ。(潔)

栗おこわ一家三人誕生日       髙橋 郁子
解体の我が家金木犀の風       福岡 弘子
横臥して内緒話や草の花       大浦 弘子
大南瓜芝にごろんとハロウィーン   貝塚 光子
独り居の長湯に浸かる秋の暮     江澤 晶子
たて横に縮む歳月木の葉髪      内藤和香子
亡き母の想ひ出深き秋袷       根本恵美子
外つ国の少女の通ふ夜学かな     松本ゆうき
ありありと多摩の横山秋澄めり    岡戸 林風
木道の軋む音して草紅葉       長澤 充子
横綴ぢの絵本めくりて秋惜しむ    山本  潔

(清記順)
※次回(11月22日)の兼題「体」
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
艸俳句会カウンター
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
229位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
小説・詩
5位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR