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艸句会報:東陽(令和5年11月25日)

東陽句会(ギャラリー バルコ)
兼題 折句「ささち」 例句 山茶花は咲く花よりも散つてゐる 細見綾子

印象句
煮凝りや老いても知らぬこと多く    堤 やすこ
冴ゆる月冴えぬ世相の地を照らし    関山 雄一

【一口鑑賞】やすこさんの句。インターネットが商業化された1990年代後半以降、IT(情報技術)革命によって経済・社会の環境が劇的に変化した。現代人は情報洪水のなかにいる。「老いても知らぬこと」は日々増大する一方だ。AI(人工知能)も身近になりつつある。そんな社会を客観的に見ている作者。「煮凝り」の透けた感じが句の内容に程よくマッチしている。雄一さんの句。「冴ゆる月」「冴えぬ世相」の言葉の対比が面白い。凶悪犯罪の増加や内閣支持率低下など、目を覆いたくなる社会の現状に警鐘を鳴らす折句に仕上がった。(潔)

夕映えの濠の静けさ浮寝鳥       飯田 誠子
ぬくもりや時計止めたき冬の朝     斎田 文子
齢得てよりの哀感冬すみれ       岡戸 林風
冴ゆる夜や差し出がましき知恵絞る   新井 紀夫
鉛筆の尖れば光る憂国忌        山本  潔
さめざめと三文役者近松忌       岡崎由美子
さつま汁ささつと煮込む乳やる娘    松本ゆうき
山茶花や坂の途中の駐在所       沢渡  梢
ちやんちやんこ着ればふるさと言葉かな 安住 正子
ハンサムなこゑのをんどり草の花    新井 洋子
傘寿より先は金色ちやんちやんこ    堤 やすこ
里山に百舌のまね鳴き谷渡り      関山 雄一

(清記順)
※次回(12月23日)は折句「かてか」
 例句 寒昴天のいちばん上の座に 山口誓子
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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