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艸句会報:連雀(令和5年12月6日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「使われなくなった物」

印象句
座りよき父の胡座や長火鉢       束田 央枝
何事もおきぬ幸せ小春かな       横山 靖子

【一口鑑賞】央枝さんの句。「火鉢」が一般的に暖房器具として使われていたのは、昭和30年代頃までだろうか。現代では使われなくなった物の代表格の一つと言っていいが、骨董品としては人気があるらしい。「長火鉢」から子供の頃を回想している作者。「座りよき父の胡座」から優しい父親像が浮かんでくる。靖子さんの句。「何事もおきぬ」とは身辺の限られた範囲を見てのことだろう。日常生活のなかのささやかな平穏こそが幸せと思えるのは、さまざまな苦労や心配事を重ねてきた裏返しかもしれない。「小春かな」に詩情が感じられる。(潔)

健やかに老いてホームの三十日蕎麦   坪井 信子
冬はじめ池田澄子が夢の中       松本ゆうき
落葉焚むかし使ひし火吹竹       飯田 誠子
湯豆腐や娘に支へられ日々過ぎて    春川 園子
重ね着やぶらさがり器はハンガーに   中島 節子
家中のカーテン洗ふ年の暮       横山 靖子
分度器の目盛うすれし寒オリオン    山本  潔
刃当りの小気味よろしき深谷葱     向田 紀子
水かげろふの閃きほのと冬紅葉     束田 央枝

(清記順)
※次回(2024年1月10日)の兼題「漢数字」の詠み込み
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Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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