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艸句会報:若草(令和5年12月9日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「石」 席題「白菜」

印象句
鐘冴ゆる修道院の石の門       沢渡  梢
休戦は今夜限りか寒昴        市原 久義

【一口鑑賞】梢さんの句。「鐘冴ゆる」は真冬の寒さを感覚的に示す季語「鐘氷る」の副題。兼題「石」から発想された修道院は、国内ではなく海外の歴史的にも由緒ある建築物を思わせる。万物が凍りつくような寒気のなか、不意に鳴り始めた鐘の音に耳を澄ませている作者。その時の感動をシンプルに書き留めた。下五に置いた「石の門」が揺るがない。久義さんの句。パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルとハマスの紛争を憂慮している作者。休戦継続の願いも虚しく、12月に入ると戦闘が再開された。その前夜の気持ちを「寒昴」に託した一句。(潔)

寒柝の音の淋しき石鼎忌       岡戸 林風
荒海の崖を明るく石蕗の花      霜田美智子
手回しの鉛筆削り虎落笛       吉﨑 陽子
石床を舐むる如くに冬の川      市原 久義
大雪や石窯で焼くハンバーグ     山本  潔
水を堰き石に堰かるる枯落葉     安住 正子
読む意欲だけを支へに漱石忌     松本ゆうき
石畳残る路地裏冬ざるる       沢渡  梢
白菜に塩振る手つき母に似て     片岡このみ
どこまでも空澄みわたる冬桜     飯田 誠子
朝日差す銀杏並木や漱石忌      石田 政江
銀杏散る上人塚の小暗がり      新井 紀夫
泣き竜の声のかするる寒さかな    新井 洋子

(清記順)
※次回(2024年1月13日)の兼題「餅」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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