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艸句会報:連雀(令和6年3月6日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「野」

印象句
母の忌や残り香めきて沈丁花     横山 靖子
野火止の音なき流れ諸葛菜      向田 紀子

【一口鑑賞】靖子さんの句。「沈丁花」は中国原産で、日本には室町時代に渡来した。花は紫がかった紅色で香りが高い。春のまだ薄ら寒い頃に雪の中や、闇の中で匂ったりすると情感がある。3月にお母様の命日が巡ってくる作者。「沈丁花」が好きだった母への思慕の情は今も変わらない。紀子さんの句。「野火止」は東京の玉川上水から分水し、埼玉県内の荒川水系の支流へ至る全長24kmの用水路。武蔵野の風情を楽しめる遊歩道も整備されている。この句は、土手一面に「諸葛菜」の広がるのどかな景が浮かんでくる。(潔)

梅日和心身ともに動き出す      横山 靖子
啓蟄の雨に濡れゐる犬の墓      山本  潔
梅真白野仏に人影もなし       春川 園子
段丘の裾野に残る畑山葵       束田 央枝
雛の傷ひとつひとつの物語      飯田 誠子
啓蟄や蟇の棲みつく縁の下      向田 紀子
「老」と言ふ文字は春野に捨てて来し 坪井 信子
菜の花や柵に野良着の干されあり   中島 節子
もの忘れしたこと忘れ日永かな    松本ゆうき

(清記順)
※次回(4月3日)の兼題「虚子忌」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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