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艸句会報:若草(令和6年3月9日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「片」 席題「楽器」

印象句
蟻穴を出づこなごなのビスケット   沢渡  梢
唐橋に二胡の音色や春の宵      岡戸 林風

【一口鑑賞】梢さんの句。啓蟄(今年は3月5日)が過ぎて土中で冬籠りをしていた生き物が動き出した。「蟻穴を出づ」は身近な昆虫の代表格の季語と言っていい。掲句は、その季語とビスケットの取合わせが楽しい。「こなごなの」という描写に臨場感があり、早くも忙しそうな蟻たちの姿が見えてくる。林風さんの句。「唐橋に立てば二胡の調べが聴こえてくることだなあ、この春の宵は」。席題での即吟。蘇東坡の「春宵一刻直千金」に言うように、「春宵」は甘美な心地良い時間帯。浪漫的な作者の一句。(潔)

旅はいつも片道切符つくづくし    山本  潔
亀鳴くや昭和モダンのジャズダンス  飯田 誠子
T字路にバイクの破片春の雪      霜田美智子
精霊の朝の目覚めの百千鳥      新井 紀夫
少年の爪引くギター鳥雲に      松本ゆうき
園児らを横目につくし摘みにけり   片岡このみ
大寒に響く味噌玉たたきつけ     石田 政江
天井に揺るる日の斑や春の風邪    岡戸 林風
内裏雛ジェンダーフリーの右左     市原 久義
避難所の講堂に聞く卒業歌      安住 正子
小さき手の跳ねる鍵盤雛の間     沢渡  梢
あやとりのタワーを春の空に立て   新井 洋子

(清記順)
※次回(4月13日)の兼題「糸」
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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