fc2ブログ

艸句会報:東陽(令和6年3月23日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題 テーマ「道」

印象句
新宿発夜行バスにて麦踏みに     伊藤  径
抜け径の静かさが好き花大根     飯田 誠子

【一口鑑賞】径さんの句。夜行バスは旅先での時間の有効活用やコストの面でも魅力がある。かつて新宿駅西口周辺に分散していた高速バスの乗降場は2016年に「バスタ新宿」として集約された。その新宿を起点にした「夜行バス」の旅が読み手の郷愁を誘う。早春のまだ寒さの残る麦畑はのどかでもあり、さびしくもある。下五の韻を踏んだ措辞が効果的だ。誠子さんの句。築地界隈に暮らし、銀座への道も知り尽くしている作者。昼間でもしんと静まり返った小径を抜けていく時のわくわくする気持ちが伝わってくる。「花大根」は大根の花をさすが、この句では「諸葛菜」の別名として使われている。(潔)

駅員の指呼の彼方へ鳥帰る      中川 照子
迷ひゐて花野に探す掲示板      飯田 誠子
裏径を隣の家へ蓬餅         斎田 文子
落花にも風の道あり誓子の忌     岡戸 林風
たんぽぽや少年いつも悩みあり    松本ゆうき
お彼岸の電車は風のゆりかもめ    伊藤  径
みちくさてふ響き懐かしつくしんぼ  向田 紀子
主なき書斎の椅子の春埃       岡崎由美子
この径やまつすぐ行かば彼岸寺    山本  潔
ほの白き荼毘の煙や花辛夷      新井 紀夫
雪しろや小沢溢れて日暮まで     関山 雄一
ほほじろや小さな庭の小さな木    新井 洋子
波がしら増えて夕日の若布籠     安住 正子
いつの日か花散る終の道ならば    沢渡  梢
潮入の渦音高し藪椿         中島 節子
清明の雨きらきらと石畳       堤 やすこ

(清記順)
※次回(4月27日)の兼題「念」
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
艸俳句会カウンター
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
830位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
小説・詩
23位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR