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訃報:舘岡沙緻主宰死去

舘岡沙緻・花暦主宰は5月1日未明、逝去されました。
謹んで哀悼の意を表します。

■舘岡沙緻(たておか・さち) 昭和5年5月10日、東京都江東区生まれ。42年「春嶺」入門。45年第9回春嶺賞受賞。63年春嶺功労者賞受賞。平成4年「朝」入会。10年2月「花暦」創刊主宰。24年俳人協会評議員。句集に『柚』『曳舟』『遠き橋』『昭和ながかりし』『夏の雲』。

  遺 句 抄
落鮎の簀竹に光り身じろがず    舘岡沙緻『柚』
胸伏せて眠る花火を見しあとは       『柚』
水の上に赤き毬浮く震災忌         『曳舟』
靴脱いで蹠さびしき涼み舟         『遠き橋』
後手をついて山見る冷し飴          〃
止どまれば吾も梅雨の木歩まねば      『昭和ながかりし』
初蝉と思ひしそばに誰もをらぬ        〃
昭和ながかりし麦稈帽古りぬ         〃
仲見世の切れ目切れ目の冬日かな       〃
手袋を脱ぎたるあとの独りかな        〃
白梅を昭和の色と愛ほしむ         『夏の雲』
風あれば鳥声あれば師の桜          〃
風止めば白の量感雪やなぎ          〃
傘さすも五月雨癌の身を濡らす        〃
ソフトクリームの看板汚れ船着場       〃
山と湖だけではさびし夏灯          〃
おほかたは一人暮しや吊忍          〃
ゆるやかに生きてゆきたし風九月       〃
思はねば事のすすまぬ秋初          〃
月の芒商ふほどもなかりけり         〃
遠野の河童夜は冬瓜の上に坐すや       〃
春たのし人の集ひに衣を替へて        〃
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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